保健医療学部 理学療法学科 カリキュラム
カリキュラム
2016年度 4月
理学療法学科
新カリキュラムSTART!
理学療法学科開設10年という節目を迎え、社会が求める理学療法士像や臨床実習環境、入学生の多様化などの変化に対応するために教育課程(カリキュラム)を再検討し、変更することとしました。
新しいカリキュラムは、高度医療・チーム医療・地域医療に対応できる次代を担う理学療法士の養成を目指しています。
応用力に富む
理学療法士の養成をめざし、
基礎と専門、講義と実習・演習を
効果的に組み合わせたカリキュラム。
このサイクルを繰り返しながら、
より深い理解を獲得します。
基礎教育科目
情報活用能力やコミュニケーション能力を身につけます。また基礎ゼミナールに参加して、自ら調べ考えて議論する体験を通じ、問題意識や問題解決能力を身につけます。
専門教育科目専門基礎分野
身体と心のしくみを理解し、疾病・障害とその回復のメカニズムを学びます。
専門教育科目専門分野
理学療法の理念、疾病・障害の評価(診断)や治療のための理論と技術を身につけます。
開校科目ピックアップ
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解剖学/解剖学実習
解剖学は、人体のシステムを「正常な構造」を通して理解する学問です。各器官系(運動器系・消化器系・循環器系・神経系・感覚器系)を詳細に学習し、人体模型や視聴覚教材を使用してさらに深い理解をめざします。
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生理学/生理学実習
生命現象における正常な生体機能を正しく理解するために、まず個々の細胞の機能を理解し、細胞の集合体である組織・器官へと学び進めます。また実習を通じて生体機能の発現・維持について総合的に理解します。
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理学療法学概論
理学療法とは何か、理学療法士とは何か、を理解する科目。理学療法の役割・歴史・学問体系・治療手段などを広く見渡すとともに、理学療法を必要とする対象者を理解するために障害体験や治療場面の見学も行います。
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理学療法技術論実習
筋力増強、関節可動域の改善、体力の向上、平衡機能の向上、痛みの緩和といった、目的に応じた理学療法を学びます。治療プログラムを作成する演習科目に続いて、正しい手技が実施できるよう、実習形式で学習します。
教育課程表
1年次
身体の構造や機能を科学的に理解
基礎分野を中心に学びます。生物学・生命倫理・情報リテラシといった、専門教育や職業的スキルに直結するものは、必修科目となっています。 専門基礎分野では、解剖学・生理学などの基礎医学領域を学内実習を交えて学び、人間の身体を科学的に理解します。また、学生が主体となって自ら学ぶ姿を身につける基礎ゼミナールも開講しています。
基礎教養ゼミナール | 基礎ゼミナールⅠ・Ⅱ |
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人間生活の質的向上に関する科目群 |
心理学Ⅰ・Ⅱ 国語表現法 文学論 哲学 現代芸術 ボランティア論 |
社会参加の前提に関する科目群 |
社会学概論 法学概論 市民社会と政治 社会思想史 社会政策 社会福祉学 地球の生態学 |
専門教育の基盤となる科目群 |
生物学 物理学 生命倫理 救命救急学 |
コンピュータリテラシに関す科目群 | 情報リテラシⅠ・Ⅱ |
外国語科目群 |
英語Ⅰ・Ⅱ 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ ドイツ語Ⅰ・Ⅱ 中国語Ⅰ・Ⅱ ポルトガル語 |
健康の維持向上・管理に関する科目群 |
スポーツⅠ・Ⅱ 健康科学Ⅰ・Ⅱ |
人体の構造と機能及び心身の発達 |
解剖学Ⅰ・Ⅱ 生理学Ⅰ・Ⅱ 解剖学実習 生理学実習 体表解剖学実習 |
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保健医療福祉とリハビリテーションの理念 |
医療学入門 公衆衛生学 リハビリテーション概論 医療統計学Ⅰ 福祉と住環境 |
基礎理学療法学 |
基礎運動学 理学療法学概論 理学療法学概論 |
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理学療法治療学 | 理学療法基礎治療学Ⅰ・Ⅱ |
地域理学療法学 |
レクリエーションワーク論 レクリエーションワーク |
2年次
多様な障害を理解し、その評価を学ぶ
学びの重点は、専門基礎分野に移ります。内科系・筋骨格系・神経系障害学を履修し、疾患や障害の多様な姿を理解します。これを受け継いで、疾患や障害の評価(測定・検査、記録、解釈)について学びます。評価や治療の対象である「人間」を多面的に理解するため、心理学系の科目も履修します。 なお、2年次春学期開始前には初めての臨床実習にも参加します。
基礎教養ゼミナール | 基礎ゼミナールⅢ・Ⅳ |
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コンピュータリテラシに関する科目群 |
情報リテラシⅢ 情報倫理 |
外国語科目群 | 医学英語 |
人体の構造と機能及び心身の発達 |
スポーツ生理学 臨床心理学 人間発達学 |
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疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進 |
内科系障害学 運動器系障害学Ⅰ・Ⅱ 神経系障害学Ⅰ・Ⅱ 老年学 リハビリテーション医学 病理学 |
保健医療福祉とリハビリテーションの理念 |
医療統計学Ⅱ 感染予防 |
基礎理学療法学 |
関節運動学 運動学実習 |
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理学療法評価学 |
理学療法評価学 理学療法評価学実習 神経理学療法評価学 神経理学療法評価学実習 運動器理学療法評価学 運動器理学療法評価学実習 |
理学療法治療学 | 運動器理学療法評価学実習 |
地域理学療法学 | アダプテッドスポーツ |
臨床実習 | 理学療法臨床見学実習 |
3年次
評価に基づいて正しい治療法を修得
2年次の障害学・評価学を受け継ぎ、治療学を中心に学習。障害の種類・状態や治療の目的に応じた多様な理学療法について、理論と技術の両面を学んでいきます。地域理学療法学の分野では、自宅や施設など生活の場における理学療法、障害者でも暮らしやすい住宅や都市のあり方なども学びます。 また理学療法研究論・演習では、理学療法士に不可欠な研究能力を身につけます。
疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進 | 精神医学 |
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保健医療福祉とリハビリテーションの理念 |
安全管理論 地域援助活動論 |
基礎理学療法学 |
運動機能解析学 生体機能学 地域健康支援学 |
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理学療法評価学 |
内科系理学療法評価学 内科系理学療法評価学実習 動作分析学 |
理学療法治療学 |
理学療法技術論 理学療法技術論実習 神経理学療法学 神経理学療法学実習 運動器理学療法学 運動器理学療法学実習 内科系理学療法学 内科系理学療法学実習 スポーツ理学療法学 電気診断学 リハビリテーション関連機器 発達障害理学療法学 発達障害理学療法学実習 |
地域理学療法学 | 予防理学療法学 地域ケアシステム論 専門職間連携論 |
臨床実習 | 理学療法臨床検査測定実習 |
理学療法 研究・演習 |
理学療法研究 理学療法研究Ⅰ 理学療法演習Ⅰ |
4年次
16週間の臨床実習で理論と技術を統合
4年次の大部分は、「臨床実習」とその予習・復習に当てられます。 これまでに身につけた障害学・評価学・治療学の理論や技術を臨床の現場で実践し、その統合を図ります。 理学療法研究論・演習では、3年次から継続して研究に取り組み、卒業研究を完成させます。なお卒業研究は早めに完成させ、国家試験対策に時間が割けるよう配慮しています。
臨床実習 |
理学療法臨床評価実習 理学療法臨床総合実習 理学療法臨床専門実習 |
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理学療法研究論・演習 |
理学療法研究Ⅱ 理学療法演習Ⅱ 理学療法総合演習Ⅰ・Ⅱ |
卒業後
医療・福祉の現場へ 大学院進学の道も
4年次の2月末に理学療法士国家試験を受験、3月末に合格発表があります。国家資格を携えて、卒業後は医療機関や福祉施設などでの活躍が期待されます。また大学で研究活動に関心を持った人には、大学院健康科学研究科(修士課程)への進学も指導します。
臨床実習
医療や福祉の現場で、理学療法の実際を体験しながら学びます。講義や学内実習で得た知識や技術を活用し、臨床の場を通して理学療法の総合的な実践力を養う臨床実習。2年次の春学期から開講され、学習進度に合わせて、入門的なものから専門的・個別的へと段階的に配置されています。
4年間の実習科目配置
春学期 | 秋学期 | |
1年次 | 基礎理学療法実習 |
解剖学実習 生理学実習 |
2年次 |
理学療法臨床見学実習 理学療法評価学実習 運動学実習 理学療法基礎治療学実習Ⅰ・Ⅱ |
運動器理学療法評価学実習 神経理学療法評価学実習 |
3年次 |
内科系理学療法評価学実習 神経理学療法学実習 運動器理学療法学実習 発達障害理学療法学実習 |
内科系理学療法評価学実習 神経理学療法学実習 運動器理学療法学実習 発達障害理学療法学実習 |
4年次 | 理学療法臨床評価実習 |
理学療法臨床総合実習 理学療法臨床専門実習 |
臨床実習一覧
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理学療法臨床見学実習
- 開講時期2年次春学期
- 実習時間5日間
臨床実習施設で行われている理学療法およびその関連分野を見学・体験し、理学療法士の役割と理学療法の方法や適応範囲を理解します。また、接遇やコミュニケーションのあり方を考え、専門職に求められる資質と態度を学びます。利用者の持つ障害の多様性、個別性を理解して、実習以降の専門教育の動機付けに繋げます。
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理学療法臨床検査測定実習
- 開講時期3年次秋学期
- 実習時間15日間
臨床実習指導者の指導下で、検査測定手技をクラークシップ形式で幅広く体験し、理学療法士に求められる検査・測定に関する知識、技術を学習します。あわせて、測定するために必要となる移乗、移動動作や、検査測定の結果を活用していくプロセスを見学、体験します。
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理学療法臨床評価実習
- 開講時期4年次春学期
- 実習時間35日間
理学療法の基本的なプログラム作成過程を習得するために臨床実習指導者の指導下で理学療法評価の過程を体験します。各種の理学療法を幅広く体験し、理学療法士に求められる知識、技術を習得します。
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理学療法臨床総合実習
- 開講時期4年次秋学期
- 実習時間35日間
基礎的な理学療法を実施するため、臨床の場で理学療法課程を実際に体験します。臨床実習指導者の指導により理学療法を幅広く体験し、理学療法士に求められる知識、技術の適応方法を学習します。
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理学療法臨床専門実習
- 開講時期4年次秋学期
- 実習時間10日間
基本的な理学療法を学んだ後、より専門的な理学療法を展開するため、スポーツや在宅リハビリなど専門的な理学療法を臨床の場で実際に体験します。
主な実習先
十分な実習先を確保
地域社会の協力を得て、愛知県東部・静岡県西部をはじめとする90施設以上の臨床実習施設を確保しています。
※実習施設は変更になることがあります。
- 豊橋市民病院
- 第二成田記念病院
- 名古屋市立大学病院
- 豊橋医療センター
- 豊橋整形外科江崎病院
- 浜松医科大学附属病院
- 豊川市民病院
- 光生会病院
- 浜松市リハビリテーション病院
- 蒲郡市民病院
- 赤岩病院
- JA静岡厚生連 遠州病院
- 新城市民病院
- 総合青山病院
- 岡崎市民病院
- 名古屋大学医学部附属病院 ほか