プレスリリース

研究成果発表-痙直型脳性麻痺者の前後の安定性限界に筋力と感覚機能が関係することを解明。(理学療法学科)

【プレス発表日】
2024年10月8日

【タイトル】
痙直型脳性麻痺者の前後の安定性限界に筋力と感覚機能が関係することを解明。脳性麻痺者のバランス能力の改善に寄与する可能性のある研究成果を発表(理学療法学科)

【概  要】
脳性麻痺とは、出生前後に生じた脳の病変や損傷などにより、手足をうまく動かすことができないといった姿勢や運動の異常を示す疾患です。痙直型脳性麻痺は、錐体路という神経経路の損傷により、痙性麻痺を示す脳性麻痺のひとつのタイプです。痙直型脳性麻痺者は、立位や歩行が可能となることも多いものの、バランスが悪く転びやすいという特徴を有しています。

立位での安定性限界(足を踏み出さずに体を傾けられる限界位置)は、バランスを保つ力を表す指標のひとつです。痙直型脳性麻痺者は安定性限界が狭いことが分かっていますが、どのような身体機能の特徴が安定性限界の狭さに関係しているのかは分かっていませんでした。

そこで18名の健常者と18名の痙直型脳性麻痺者を対象に、前後の安定性限界と、筋力と感覚機能、麻痺の程度、関節の動く範囲の関係を調べました。その結果、痙直型脳性麻痺者では、足首の関節や足の指を動かす筋力や、足の裏の感覚機能が低下している場合に、前後の安定性限界が狭くなっていることが明らかになりました。この成果はPediatric Physical Therapyという国際誌に掲載されました(Tomita H et al. Pediatr Phys Ther 2024, 36, 507-516)。

この研究結果は、痙直型脳性麻痺者の筋力や感覚機能をリハビリテーションなどで改善させることができれば、立位バランス能力が改善する可能性を示唆しています。この可能性を今後さらに検証していくことで、痙直型脳性麻痺者のリハビリテーションへの応用が期待されます。

【本件担当】
豊橋創造大学保健医療学部理学療法学科 冨田 秀仁
  電話: 0532-54-9585  メール:h_tomita@sozo.ac.jp

  教員データブックURL
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【お問合せ】(報道に関すること)
豊橋創造大学・豊橋創造大学短期大学部 地域連携・広報センター
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