キャンパスニュース
幼児教育・保育科の葛谷潔昭准教授が「豊橋市家庭科研究部夏季研修会」で講師を務めました。
去る2026年8月17日(月)、豊橋市曙学校給食センターにて「豊橋市立家庭科研究夏季研修会」が開催され、本学短期大学部幼児教育・保育科の葛谷潔昭准教授が講師として登壇しました。
研修の前半では、「個別と集団、そして多様性の先へ」と題した講義が行われました。葛谷准教授は、障害の有無に関わらずすべての子どもが地域の教室や保育室で共に育ち合う「インクルーシブ教育・保育」「ダイバーシティ・インクルージョン」の理念について解説。生きづらさの要因を子ども個人にあるとする「医学モデル」から、社会や学校環境の側にある壁を取り除いていく「社会モデル」へと発想を転換することの大切さを強調しました。
また、現場が直面する壁として「個別と集団のジレンマ(排除のパラドックス)」について触れました。個別の配慮に集中しすぎるとかえって特別視されて集団から孤立してしまい、一方で集団の規律を優先すると個人のSOSが埋もれてしまうという構造です。この葛藤を乗り越える解決策として、教員が1対1の支援を一人で背負い込むのではなく、教員は「ファシリテーター」となり、子ども同士が違いを当たり前として認め合い、互いに助け合う「網の目(Web)」のような関係性を築くアプローチを提唱しました。
さらに、幼児期の「遊び」を通じた育ち合いを、途切れさせることなく小学校以降の「授業・学び」へと引き継ぐ「幼保小連携」と「小中高特連携」など、幼児期からのインクルーシブ共育の連続性がいかに重要であるかを説明しました。
講義の最後には、AIが完璧な答えを提供してくれる時代だからこそ、リアルな場で思い通りにいかない他者と関わり支え合う「泥臭い人間関係(人間臭い共生体験)」の実体験が、未来を生きる子どもたちの命の重みや心、社会性を育むと締めくくりました。
研修の後半では対話型のワークショップが行われました。参加した小中学校の先生方は講義に熱心に耳を傾けるだけでなく、現場で直面している葛藤や、明日からできる「子ども同士の育ち合い」に向けた工夫について活発に意見交換を行いました。
本学は、今後も教員の専門性を活かし、地域の教育活動へ貢献してまいります。
【研修会の概要】
日時: 2026年(令和8年)8月17日(月)14:00~
場所: 豊橋市曙学校給食センター 2階研修室
対象: 豊橋市立小中学校の家庭科研究部員、および希望者
主催: 豊橋市教育委員会・豊橋市立小中学校現職研修委員会
講演内容:「個別と集団、そして多様性の先へ(インクルーシブ教育・保育・共育、ダイバーシティ・インクルージョン)」
講師: 葛谷潔昭 准教授(幼児教育・保育科)