スペシャルインタビュー

看護学科「先生に聞いてみた」 原沢先生

看護学科「先生に聞いてみた」 原沢先生

<所属・氏名>

保健医療学部
看護学科
教授
原沢優子(ハラサワユウコ)先生

<基本情報>

これまでの経歴を教えてください。

大学では保健師資格を取得しました。臨床経験は看護師です。第三次救急を受け入れる急性期病院に勤務していました。その後、看護学研究に興味を持ち、国公立大学の看護学部で25年ほどの教員経験を重ねて、2023年度から本学に赴任しました。学位は看護学博士です。

どうして看護職を目指したのですか?

高校生の頃は遺伝子系の学習が好きで開発職や研究者になる道のイメージもありましたが、小学生時代の文集に「将来の夢」に「看護師」と書いてあり、子どもの頃の夢を叶えるというのもおもしろいかなと思いこの道を選びました。

印象に残っている学生生活の学びのエピソードはありますか?

老年科病棟の実習で患者さんが原因不明の食欲低下で困っていたとき、どんなものなら食べられるか本人に尋ねると、「小さいおにぎりだったら。お茶碗に入ったご飯をみると食べる気がなくなるんだよ」とおっしゃるので、その方の好みのサイズでおにぎりを作り、食べてもらえたことがありました。小さな工夫でも人の意欲が変えられるのだと知り、看護はおもしろいと思った原点です。

学び以外には、どんな学生生活を過ごされましたか?

多くの時間を一緒に過ごした部活の仲間、アルバイト先で知り合った人々との出会いから、いろいろな価値観に触れる機会がありました。そのことが今の自分の考えに影響していると感じます。学生時代に広く社会を知る貴重な時間を持つことは、とても大切だと思います。

<教員・研究>

専門研究分野を教えてください。

専門分野は、高齢者看護学です。介護保険導入前後は、高齢者家族の介護負担感に関する研究を行い、2008年頃から高齢者施設における看取りケア教育の促進を目指した研究に取り組みました。施設の看取り件数が増えてきた最近は、ITデバイスを使った看護技術・知識の伝承や、高齢者の健康維持に役立つITデバイス開発など、研究テーマが増えてきました。時代と政策の流れを捉えて、看護学と高齢者に役立つ事柄を研究テーマにしています。

どんな講義をされていますか?

医学・看護学の知識は覚えることが膨大です。学生には本質を捉える習慣を持つことで応用力を身に付け、丸暗記ではない長期的な知識の定着を願っています。そのためには、わかった気になるのではなく、意味や本質を理解する習慣付けが大切です。講義では、なぜこうなるのか、なぜこの方法をとるのかなどを解説し、学生の心に響くようにと願いながら話をしています。そして、知識だけでなく、看護職として高齢者に対する際のマインドを言葉にするようにもしています。

高齢者に対する際に必要なマインドとは、どういったものですか?

高齢者は若い人に比べるとできないことも多くなり、援助してあげないといけない人という目線で見られがちです。援助してあげたいという気持ちから看護師をめざす学生も多く、その気持ちはとても大事。それでも、実際の高齢者の方々は、自分のことは自分でやりたいという気持ちを持っています。できないものを援助してあげることが看護ではなく、その人たちがやれるような周りの環境作りをしてさしあげることが大切だと思います。生きがいがなくなり、ネガティブな発言をする高齢者の方も多いです。そういった場面で学生たちが戸惑うことがあるので、何がその人にそういうことを思わせているのか、根本的な原因はどこにあるのかなど、その方を正確に知る努力が必要だという話をしています。あくまでも自分たちがしてあげたいということではなくて、高齢者の方が何を望んでいるかに寄り添うことが大事ですね。

先生が考える豊橋創造大学の良いところを教えてください。

教員も職員も学生さんも、みなさんの人柄が穏やかなところが魅力です。図書館をはじめ、施設の設備も良いと思います。カフェテリアはおしゃれですし、大学構内にキッチンカーが頻回にやってきて楽しいですよ。施設内は常にきれいで気持ちの良い環境で、大学の裏手に大きな川が見えますが眺めているだけで癒しです。

看護学科の魅力としてはどうでしょうか?

少人数教育を取り入れて演習を行っていることです。模擬患者さんを活用した技術演習を行っている領域もあり、何かと不安が多いと言われる実習前の学習準備がしっかりできる環境だと思います。実習先の病院・施設にも親切で教育熱心な方々が多くいらっしゃいます。

看護師を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

看護師はいろいろな人に出会う仕事です。そして、出会うときはその人の体調が悪い時がほとんどです。その時を支えて回復へ手助けしていくのが看護師の仕事です。自分も健康で強くないと人を支えていけませんので、自分が健康でいられるように、よく食べて、よく眠り、よく楽しみ、よく笑い、よく勉強する。こういう基本的なことが好きな人は向いています。そして、看護職は人を支えているようで対象者様からいろいろなことを教えていただくことも多く、支えられてもいます。生きている限りいろんな学びがある。そういう楽しみがある職業です。保健師・助産師含めて、看護職のライセンスで仕事をすることで得られる人生のおもしろさと利点があると思います。ぜひ、一緒に本学で学びましょう!