教員詳細

詳細ページ(桂川純子)

氏名
桂川 純子

職位
教授

連絡先
E-mail:j-katsuragawa@sozo.ac.jp

表題
・精神障がい当事者のエンパワメントに関する研究
・看護者の倫理的問題への対応とストレスに関する研究

主な研究と特徴
(看護倫理分野)
 成育医療委託研究班の研究協力者として「重篤な疾患を持つ新生児の家族と医療スタッフの話し合いのガイドライン」の作成に携わった。新生児医療における倫理的な問題に悩む親,医療従事者の解決方法の1つとして「話し合い」が重要であることが明らかとなった。これはその後の「重篤な疾患を持つ子どもの医療をめぐる話し合いのガイドライン」や「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン」「終末期医療に関するガイドライン」などに踏襲されている。医療倫理の問題は、医療専門家個人の能力向上のみで対応できる課題ではなく、広く市民を含めて学際的に取り組む必要がある。
(精神看護学分野)
 精神障がい当事者のエンパワメントの研究に取り組んだ。当事者を含めて人々が健やかな日々を過ごすためには,こころの健康を維持することが重要である。様々なストレスがある現代においては,一人ひとりがストレスマネジメントすることに加え,人々のつながりを基盤としたエンパワメントが求められる。このことは、看護者が倫理的な問題によりストレスを抱える状況にも活用される。
(看護教育学分野)
 2000年代にネット環境をベースにした看護技術習得のための場を試験的に構築した。ネット環境における時間と場所に限定されない学習教材と学習者同士の交流の場の提供は,新たな技術習得の可能性が示唆された。

今後の展望
 こころの健康の保持増進は、不透明なこの時代を健やかに生きていくためには、必須である。職場でのストレスや病、災害など様々な危機に直面しても、獲得された個人スキルやつながりによって、リカバリーへと進む具体的方策を明らかにし、それを身に着けていくための効果的な方法を検討していきたい。

経歴
日本赤十字武蔵野女子短期大学 看護学科 卒業
明星大学 人文学部心理・教育学専攻 卒業
早稲田大学大学院 人間科学研究科生命科学専攻 修了
広島大学大学院 保健学研究科看護開発科学講座 博士後期課程単位取得退学

所属学会
日本看護科学学会
日本生命倫理学会
日本看護倫理学会
日本精神保健看護学会

主要論文・著書
【主要論文】
1.    桂川純子、松田日登美、柿原加代子、水野智(2007)インタラクティブな環境を提供する看護技術教育用システムの構築とその評価、日本赤十字豊田看護大学紀要、3(1)27-34
2.    桂川純子、横尾京子、中込さと子(2008)わが国の新生児医療における治療拒否―概念分析、日本新生児看護学会誌、12(1)16-24
3.    桂川純子、松田日登美、柿原加代子(2009)新卒看護師が気管吸引を習得する上で困難と感じる要因の検討、日本赤十字豊田看護大学紀要、4(1)7-13
4.    有江文栄、桂川純子、佐伯恭子、大西香代子(2017)看護研究倫理の課題:研究倫理教育に焦点を当てて、日本看護倫理学会誌、9(1)45-52
5.    大西香代子、桂川純子、三木佐和子(2020)当事者が研究者にアドバイスする活動―「J-SUGAR」始まる、精神看護、23(5)420-423

【著書】
1.    看護に生かすバイオエシックス――よりよい倫理的判断のために、pp.57-96、学習研究社(平成16年1月)
2.    新生児医療現場の生命倫理、pp.70-86、メディカ出版(平成17年7月)
3.    子どもの医療と生命倫理――資料で読む、pp.223-248、法政大学出版局(平成21年6月)
4.    改訂版 生命倫理・医事法、pp.135-146、医療科学社(平成30年2月)