スペシャルインタビュー

理学療法学科「先生に聞いてみた」vol.2 冨田先生

理学療法学科「先生に聞いてみた」vol.2 冨田先生

<基本情報編>

冨田先生の今までの経歴を教えてください。

生まれも育ちも静岡県の浜松市です。当時、一人暮らしをしたいこともあり、親元を離れて金沢の大学に進学しました。

なぜ金沢だったのですか?

当時、広島や神戸にも大学はあったのですが、実はあんまり都会が得意ではなくて。一番素朴かなと思って金沢を選びました。
ちょうど2000年に卒業したので、理学療法士になって23年になります。岡崎市にある手足が不自由なお子さんの施設で理学療法士として働いており、7年前から豊橋創造大学で教員をしています。ただ、現場が好きなので、週1回は今でも施設で働いています。

<教員・研究編>

冨田先生の専門研究分野を教えてください。

小児理学療法です。子どものリハビリですね。生まれつき障がいがあったり、小さい頃に病気などで手足が障がいされた方など、手足に動かしにくさがあるお子さんが、すくすくと育っていけるようにサポートをしています。

お子さんだけを診ているのですか?

子どもの頃に原因があった方を生涯ずっと見ています。簡単に治る状態でない方が多いので、大人になってからもずっとです。18歳までを対象とした病院・施設もありますが、いま臨床で勤めている施設は18歳以上の方もたくさんみえます。

どんなところが面白いですか?

ずばりですが、大好きな子どもと関われるところが何より楽しいです。特に、座れるようになったり、歩けるようになったり、ご飯を上手に食べられるようになったりというように、お子さんの成長をご家族と一緒に喜べる点にもとてもやりがいを感じます。

冨田先生が学生に教える上で気をつけていることは何ですか?

今の学生さんは単語を丸暗記する傾向が強いです。そのため、必ず絵を描く、動画を見せるなど、イメージをしっかりと持ってもらえるようにしています。また、私が長年診ている患者さんに協力してもらって、大学に来てもらい、実際に学生さんに症状を見てもらったりもしています。

素晴らしい試みですね。

そうですね。病院実習に行く前に実際に患者さんに接することができる大学は少ないのではないでしょうか。長年施設で働いていますので付き合いの長い患者さんも多く、こころよく協力してくださっています。患者さんには感謝をしています。机上の勉強だけでなく、「目で見て体験してイメージできる」ことを大切に学生さんたちに教えています。

冨田先生が考える豊橋創造大学の良いところは何ですか?

ずばり、豊橋にあるところです。先程も言いましたが、実は、都会が少し苦手です。勉強するにも生活するにも豊橋はとてもちょうど良いです。学生さんとの距離も近く、気軽に声をかけてくれます。
大学の規模も決して大きくはないのですが、そこも気に入っています。学生さんも先生方も職員の皆さんもいい人だらけで、安心して理学療法士になるための勉強に取り組めると思います。

<パーソナル編>

冨田先生が理学療法士を目指すきっかけを教えてください。

中高と卓球部に所属していましたので、怪我したときにリハビリもしていました。ただ、当時はそれが理学療法士とは知りませんでした。部活の顧問に憧れて学校の先生を目指していました。

方向転換をされたのですね。

その頃、学校での部活が将来的に縮小傾向にあるって聞いたのです。どうしようかと思っていたある時、たまたま見た映画で、リハビリをしたりスポーツのサポートをしている仕事が理学療法士であると知りました。それがきっかけで理学療法士をめざすことにしました。

冨田先生はどんな学生時代を過ごされましたか?

あまり大きな声では言えませんが、最初の2年間はあまり勉強をしていなかったです。当然、実習に行ったときに失敗をしますよね。そこから、これはいけないと思い、猛勉強しました。

勉強以外ではどうでしたか?

アルバイトやボランティアもたくさんしました。実はとても人見知りだったので、少しでも克服しようと思い、カウンターしかない焼き鳥屋さんでバイトを始めました。そこで色々な人とたくさんお話しができたことはとてもいい経験になりました。焼き鳥屋さんのマスターとは今でも連絡を取り合っていますし、大学時代の友人と今度夏休みに遊びに行く計画を立てています。大学時代に出会えた人たちと今でもつながっています。一生の宝物かなって思っています。

理学療法士を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

僕たち理学療法士は患者さまを元気にすることが仕事だと思うのですが、気づくと子どもたちからいっぱい元気をもらっています。そして元気になったら、また子どもたちを元気づける。そんなこんなで気づけば20年です。
もちろん、理学療法士は楽しいことばかりじゃなくて、つらいことや悲しいことも経験します。でも、やっぱり理学療法士になって良かったって心の底から思えますし、生まれ変わっても絶対に理学療法士を目指すと思います。そんな素敵な仕事です。