看護学科「先生に聞いてみた」 リトル先生

<所属・氏名>
保健医療学部
看護学科
講師
リトル奈々重(リトルナナエ)先生

<基本情報>
これまでの経歴を教えてください。
私の最初の臨床は看護師でした。大学病院の産婦人科病棟での勤務です。そこでは、生と死が同じ病棟のなかで交差する場面に立ち会うことを経験しました。助産師は、「命の誕生」という希望に、しっかり向き合う一方で、女性の生涯に寄り添う看護に携わります。女性の一生に関わる専門職として助産師への魅力が湧きあがり、病院の国内留学制度を使って助産学専攻科コースに進みました。助産師になってから、教員の道を恩師に薦められ、大学院にて博士号を取得して現在にいたります。 その間、しばらく海外で生活することになり、現地のクリニックで働く経験を持ちました。その中で、異文化に触れ、多様な価値観を学びました。この経験は、国際的な視点をもった看護の必要性を強く感じるきっかけにもなっています。
海外での生活経験があるのですね。
日本の医療現場と海外の現場は、文化背景や制度、患者の捉え方も多くの点で異なります。大学のある豊橋市は、外国人が多く、一部の小学校ではクラスの3分の1ほどが外国人という地域的特徴を持っています。国内での異文化看護、国際医療については、身近なトピックスです。国際的な視点を持つことの重要性について、私が持つ経験などを通してお話しできれば良いと思いますし、学生にとって興味を持って、将来、医療機関で働く時に活かせられるように伝えられたらと思っています。
看護の道を目指したのはなぜですか?
人と関わる仕事がしたい、そして「自立した専門職として働きたい」という思いが、看護の道を目指すきっかけになりました。看護職は、人の命に関わる責任ある職業でありながらも、人に寄り添い、支える力を持った仕事です。そんな人のために役立てる専門職に魅力を感じ、看護の道を目指しました。

<教員・研究>
専門研究分野とその魅力について教えてください。
私の専門は「母性・助産学」です。出産という “命のはじまり”に立ち会え、「おめでとうございます」と産婦さんやその家族と共に感動や喜びを分かち合えることは、助産師ならではの特別な経験です。正常なお産であれば自分の判断で取り扱うことができ、専門職としての自立性と責任が大きいところも、やりがいと誇りを感じます。助産師は女性のライフサイクル全体に寄り添う専門家であることが魅力です。
指導をする上で大切にしていることは何ですか?
学生には「なぜそうなるのか」を自分で考えられる力をつけてもらいたいと思っています。看護の現場では、ただ見て終わりではなく、観察したことにどんな意味があるのかを考える“アセスメント力”がとても大切です。その力を養うために、授業ではできるだけ自分の長い臨床経験の話などを交えて説明し、学生が興味を持てるよう工夫しています。また、学生がただ聞くだけでなく、自分から参加できる雰囲気づくりも意識しています。
先生は、どんな学生生活を送られていましたか?
看護学生時代は、学ぶことに集中する日々を過ごしていました。特に助産師の実習前には「ファントーム」という分娩の演習人形を使って、技術を体に染み込ませるまで何度も練習しました。夜中に学校へ行き、明け方まで練習を続けたことは今でも忘れられません。
先生が考える豊橋創造大学の良いところを教えてください。
私は2025年4月に着任したばかりですが、学生と教職員の距離が近く、大学全体に温かく穏やかな雰囲気があると思います。看護学科だけでなく大学全体の教職員一人ひとりが学生をとても大切にしており、学びの面でも生活面でもきめ細やかなサポート体制が整っていると感じます。「一人ひとりを大切にする」姿勢が大学全体にしっかりと根付いていると感じています。
本学の看護学科の特徴は何ですか?
看護師になるために必要な知識と技術について、段階を踏んで、しっかり学べる環境があると思います。例えば、実習前のシミュレーション演習や技術練習は丁寧で、実践に結びつける準備を大切にしています。また、地域の病院とのつながりも良く、豊橋市民病院をはじめ、近隣地域の医療機関に実習に行かせて頂いており、地域に根差した連携を行い、医療従事者を育成していると思います。
看護師を目指す高校生へのメッセージをお願いします!
看護師は、人の命を支える力、人に寄り添う力、そして自分自身を成長させる力を持った、誇りある専門職です。誰かの力になりたい、命に関わる仕事がしたい。そんな思いがあるなら、ぜひ看護や助産の道に進んでみてください。本学では、あなたのその想いを支え、一緒に成長できる学びの場があります。