スペシャルインタビュー

理学療法学科「先生に聞いてみた」 藤原先生

理学療法学科「先生に聞いてみた」 藤原先生

<所属・氏名>

保健医療学部
理学療法学科
助教
藤原光宏(フジワラミツヒロ)先生

<基本情報>

これまでの経歴を教えてください。

豊川市(旧一宮町)に生まれ、地元の公立小学校、中学校、豊橋の公立高校で学びました。その後、1年間の浪人生活後に長崎の大学に進学しました。この大学への進学を決めた理由は、高校生の頃にお世話になっていた理学療法士の先生に進学先を相談したところ、先生の奥様(本学の辻村先生)に助言をいただいたためです(今一緒の大学で働いているとは、当時は思いもしませんでした)。大学卒業後は、大学の先生の紹介で名古屋の総合病院に就職しました。4年目から病院勤務と並行して社会人大学院生として学び、学位を取得しました。学位取得後も理学療法士として勤務していましたが、より深く研究に携わりたいと思い、国立長寿医療研究センターで研究員として2年間勤務し、今から2年半前に豊橋創造大学に着任したので教員生活は今年で3年目になります。

どうして理学療法士を目指したのですか?

高校生の頃は、料理人や物づくりをする職人の仕事を見ることが好きで、自分の手で何かを生み出して、人の役に立てたらなと漠然と思っていました。小学校から野球を続けていて、高校生のときにケガをすることがあり、そこで理学療法士という仕事を知りました。高校生のときに理学療法士は自分の手一つで人の体を良くすることができる魅力的な仕事だと感じ、理学療法士に興味を持つようになりました。

<教員・研究>

専門分野を教えてください。

専門の研究分野は免疫学や基礎理学療法学などのライフサイエンスです。特に加齢に関連したリンパ球の老化で起こる現象について動物を用いて研究を行っています。大学の講義では、脳卒中や脊髄損傷などの神経が損傷することで生じる疾患について、理学療法士の臨床経験も踏まえて、理学療法を行う上で必要な知識や実技の講義を担当しています。

免疫学の面白さを教えてください。

研究分野の「免疫」は一般の方もウイルスや細菌による感染でよく耳にする言葉で、私たちの体を守る非常に重要な防御機構であることは皆さんもご存じかと思います。理学療法士が取り組む研究では、あまり馴染みがないかもしれませんが、感染症以外にも怪我をしたときや脳卒中などで体が傷ついたときにも実は働いています。免疫は非常に難解な印象を持ちやすいですが、体のこんなところで、こんな時に免疫が関わっているんだという発見がたびたびあり、面白いなと感じさせられます。まだまだこの分野は発展性が高く、国内に優れた研究者もたくさんいるので、私もしっかりと研究を推し進めていきたいと思っています。

専門分野の他に、今、力を入れていることがありますか?

今年、本学の学生がスポーツトレーナーサークルを立ち上げました。私もそうですが、本学の学生はスポーツを経験して理学療法士を知るきっかけになっている学生が多いです。学生たちがスポーツ選手へのサポートを通して学生時代に力を注いできたと自信を持って言えるような活動になるように、学生を支援したいと思います。サークルは立ち上がったばかりで、まだまだ明確な活動とはなっていませんが、今後は学内・学外の部活動やスポーツ団体と連携してスポーツ選手をサポートする活動にしていきたいですね。

<プライベート>

どんな学生生活を送られていましたか? 

大学生の頃はコンビニ店員や家電量販店でアルバイトをした経験があります。真剣に取り組んだ結果、某コンビニから就職のスカウトをされたことがあります。お客様の視線の動きなどを考えて陳列を工夫したところ、所属していた店舗が売上ランキングの上位になったりしました。今でもコンビニに行くと、陳列を気にしてしまいますね。本業の大学でも大学院でも良い仲間と出会いました。大学生の頃を思い返すと、特に4年生の国家試験勉強は印象に残っています。大学で1日中グループ学習をして、夕方には体育館でバレーやバスケで体を動かしていました。メリハリをつけて学べていたのは、気の合う仲間と一緒だったからだと思います。

大学院はお仕事との両立はいかがでしたか?

大学院では、理学療法士としてフルタイムで働きながら通っていました。昼間は病院で勤務、夜は大学院で実験をして、日が昇る頃に自宅に帰るようなこともありました。遊びにも時間をしっかり使っていましたので、同じ研究室の学生から「本当は3人いるんじゃないか」と言われていましたね。ハードな毎日でしたが、興味があることを学べて同じ空間・時間に頑張っている人がいるという環境が心地よく、本当に良い環境だったと思っています。

先生が考える豊橋創造大学の良いところを教えてください。

大規模な大学ではないところが、学生と教職員の関係を親密にしていると思います。地域に密着した活動を学生と教職員が力を合わせて行っているところも魅力だと思います。市民向けの公開講座を開催していたり、ショッピングセンターで理学療法の体験ができるイベントや体力測定ができるイベントをやって、市民の方に理学療法を知ってもらったり、健康のためになることを伝えるなど、地域に根ざした活動をしています。先日は小学生が理学療法士になって関節を保護するテーピングをする職業体験イベントを開催しました。

先生が考える豊橋創造大学理学療法学科の良いところを教えてください。

学生が理学療法を学ぶことに熱心だと感じます。それもあって、教員も授業外でも熱心に対応していて、授業も丁寧だと思います。また、研究を行うための設備や教員のサポートなどの環境も整っています。理学療法士を目指したい高校生や学生の方だけでなく、すでに理学療法士として働いていて大学院での研究に興味がある方にも勧めたいですね。

学生に教える上で気を付けていることは何ですか?

大学では神経疾患の理学療法についての講義を担当していますが、脳や末梢神経の働きは、患者さんを外から見ることができないため、学生はイメージが湧きにくく、苦手と感じやすい分野かと思います。そのため、神経の働きや病気で不具合が出たときにどんな変化が体で起きているのか、図や写真、動画を使って、視覚的に理解しやすくすることを心掛けています。

理学療法士を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

私も高校生のときに理学療法士という仕事を知って、興味を持ち理学療法士になりました。理学療法士の仕事は、同じ病院の中で働く医療職と比べて1対1で患者さんと向き合って接する時間が多いです。私が長く勤めていた病院は回復期病院だったので、一人の患者さんと1日に1時間から1時間20分の治療時間がありました。患者さんとは治療中に雑談もあれば、相談を受けることや人生の先輩からの教えもたくさんありました。成長させてもらった多くの出会いがあったなと思います。自分がいろいろと経験して成長することで、また患者さんに還元できることができる良い職業だと思っています。理学療法士に興味を持ってくれた高校生のみなさんには、ぜひ豊橋創造大学で理学療法を学んで理学療法士を目指していただきたいなと思います。

研究者情報 藤原光宏