痙直型脳性麻痺者の安静立位と安定性限界の関係についての新たな知見を発表
【プレス発表日】
2024年5月1日
【タイトル】
痙直型脳性麻痺者の安静立位と安定性限界の関係についての新たな知見を発表
【概 要】
脳性麻痺とは、出生前後に生じた脳の病変や損傷などにより、手足をうまく動かすことができないといった姿勢や運動の異常を示す疾患です。痙直型脳性麻痺は、錐体路という神経経路の損傷により、痙性麻痺を示す脳性麻痺のひとつのタイプです。痙直型脳性麻痺者は、立位や歩行が可能となることも多いものの、バランスが悪く転びやすいという特徴を有しています。
痙直型脳性麻痺者は安静立位(普段楽に立っている時の姿勢)での身体の揺れが大きいことや、安定性限界(足を踏み出さずに体を傾けられる範囲)が狭いことが分かっていますが、安静立位と安定性限界の関係については分かっていませんでした。
そこで27名の健常者と27名の痙直型脳性麻痺者を対象に、安静立位と前後の安定性限界を測定し、その関係を調べました。健常者では、安静立位の安定性限界の立位位置の間に関係がみられませんでしたが、痙直型両麻痺者では安静立位の位置が前方であるほど、また安静立位での身体の揺れが大きいほど、前後の安定性限界の幅が狭いことが明らかとなりました。
この結果は、痙直型脳性麻痺者では、普段立っている位置やその時の身体の揺れの大きさが、バランスの安定性に関係することを示唆しています。痙直型脳性麻痺のリハビリなどへの応用が期待されます。
【本件担当】
豊橋創造大学保健医療学部理学療法学科 冨田 秀仁
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