プレスリリース

急性骨格筋痛に対するミラーセラピーの実施が、皮質脊髄路の興奮性低下を予防し、痛みを早期に軽減することを発見

【プレス発表日】

 2024年 2月 23日
 

【タイトル】

急性骨格筋痛に対するミラーセラピーの実施が、皮質脊髄路の興奮性低下を予防し、痛みを早期に軽減することを発見
 

【概  要】

近年、痛みによって神経系の可塑的変化が生じ、これが慢性疼痛を誘発することが明らかになってきている。このような問題を解決する手段の一つとして、皮質脊髄路の興奮性(CE)に作用するメンタルプラクティス(≒運動イメージトレーニング)のようなアプローチが注目されている。ミラーセラピー(MT)は傷害部位に物理的なストレスを加えずにCEを亢進させることができるという特徴をもつ。そこで我々の研究グループは、ヒト骨格筋痛モデルに対するMTの効果をCEの程度を示す運動誘発電位(MEP)と痛みの程度を示すVisual analogue scale(VAS)をモニタリングし、MT実施群と対照群で比較を行った

その結果、対照群のMEPは痛み発生後に有意に低下し、750秒程度痛みが継続していたのに対し、MT実施群ではMT実施中のMEPが対照群と比較し有意に上昇し、さらに実施後も継続してMEPが高値であった。また痛みにおいても、痛みが消失(VAS = 0)するまでにかかった時間がMT実施群において有意に短縮された。

本研究において、MTが痛みに伴うCEの低下を予防し、早期に疼痛緩和をもたらす可能性を示唆する結果が得られた。これらの知見は、上肢の骨折患者のような急性期に治療のために安静を要し運動が困難な症例において、MTの実施が痛みの軽減や慢性疼痛への移行を予防できる可能性を示唆している

【本件担当】

豊橋創造大学 保健医療学部 理学療法学科 西 啓太

電話:0532-54-9503  メール:k-nishi@sozo.ac.jp

 

【お問合せ】(報道に関すること)

豊橋創造大学・豊橋創造大学短期大学部 地域連携・広報センター

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