スペシャルインタビュー

幼児教育・保育科「先生に聞いてみた」 加藤先生

幼児教育・保育科「先生に聞いてみた」 加藤先生

<所属・氏名>

短期大学部
幼児教育・保育科
准教授
加藤克俊(カトウカツトシ)先生

<基本情報>

これまでの経歴を教えてください。

大学は、教育学部の小学校教員課程・図画工作専攻に進みました。学部卒業後も、研究生、大学院、大学院研究生と、合計10年間大学に通っていました。教員になったきっかけは、大学院の研究生だった頃、担当教授に幼児教育の非常勤の仕事をいただいたことです。いろいろな学校を掛け持ちして教えた後、2013年に豊橋創造大学に来ました。

先生ご自身も創作活動をされていると伺いました。

学生の頃から木のおもちゃを制作しています。2005年に応募した「第18回 丹波の森ウッドクラフト展」では、らせんをテーマにした作品でグランプリをいただきました。土台の円盤をタイミングよく押すと、並んだ木のハンマーが小川のせせらぎのような音色を出す作品です。他に、豊田の間伐材で作った作品が「とよた子育て総合支援センター」に寄贈されています。最近は教育に比重を置いていますが、自分の作品づくりは没頭できて心地よい時間です。

<教員・研究>

専門研究分野を教えてください。

幼児教育の造形が専門です。セミナーでは、新城市のこども園や豊橋市まちなか図書館などで子どもたちと制作を楽しんでいます。2023年には、他の養成校の学生とともに各地でワークショップを行う「ことことキャラバン」をスタートさせました。

学内だけでなく、社会に出て学ぶんですね。

学生が学外に出て地域(社会)とつながる時間を大切にすることは、私が学生の頃から恩師に教えられたものでした。子どもの造形活動を通して保育者としての力を培うこと、できあがった子どもの作品から良い部分を見抜くことなど、準備をし、実際に子どもと関わり、振り返ることで学びとなることはたくさんあります。子どもたちの生の反応を見られるのも面白いと思います。

学生にとって貴重な経験になりそうです。

学生たちは卒業後すぐに即戦力として働くことになるので、在学中に子どもと触れ合う機会をこちらが積極的に作ってあげたいですね。即効性はないかもしれませんが、社会に出てから思い出してもらえるような経験になればと思っています。子どもと触れ合って何かを作った経験は自信につながります。やったという実績があれば、その積み重ねがへこたれない理由になるんじゃないかな。

指導をする上で大切にしていることは何ですか?

学生自身が考えて答えを導き出すような問いかけをするようにしています。ネットにある情報からそのまま引っ張ってこられるような問いはしません。参考にしたとしても自分なりの工夫を入れるように指示したり、学生自身に学びが定着するようにしています。学生には、自分で考え、自分の意見を整理できるようになってほしいですね。

昨今の学生にどのような印象を持っていますか?

誰かとコミュニケーションをとりながら物事に取り組むことが苦手な子が増えているように感じます。そこで、協同的な活動を一番最初の授業で取り入れています。あまり親しくない状態で、グループでコミュニケーションをとりながら一つの作品を作る授業です。

どんな学生生活を過ごされましたか?

大学で夜中まで作品づくりをしていました。同じように学校に残って制作をする仲間も多く居て、彼らと鍋を作って一緒に食べたりしました。まじめに自分に向き合って制作していた彼らは、今でも職場で活躍しているようです。課題に対しての向き合い方が、その人の資質を表しているのだと思います。

学生には在学中にどのような経験をしてほしいですか?

自分が10年間大学にいたので、(就職の先生には怒られてしまうかもしれませんが)すぐに就職しろとは言いません。いろんな経験をしてから社会に出てもいいのではと思います。だからこそ、学外で子どもと触れ合う機会など、さまざまな経験を多く用意してあげたいと思います。

先生が考える豊橋創造大学の良いところを教えてください。

ネット環境が整っている点でしょうか。出欠席はもちろん、オンデマンド教材配信システム「クラスルーム」を活用した授業など、他大学でここまで活用できているところは少ないと思います。幼児教育・保育科で言うなら、先生方が学生に対して手厚くケアされているところです。ミスが続く学生に対しても粘り強く対応されていると思います。

幼児教育・保育科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

学生には、視野を広く持ちましょうと常に伝えるようにしています。目の前の課題に真剣に取り組んでいれば、ふと振り返った時に積み上げてきた量が全く異なります。そして、周りにいる人間は、自分自身の鏡だということも知ってほしい。面白い興味深い仲間を集めるのは、面白い興味深い自分でしかありません。