スペシャルインタビュー

理学療法学科「先生に聞いてみた」 瀧野先生

理学療法学科「先生に聞いてみた」 瀧野先生

<所属・氏名>

保健医療学部
理学療法学科
助教
瀧野 皓哉(タキノコウヤ)先生

<基本情報>

これまでの経歴を教えてください。

私は2004年に名古屋の大学に入学し、2010年に卒業して理学療法士の資格を取りました。その後、北名古屋市の総合病院で働きながら、疑問に思ったことを研究したいという思いで大学院へ進学しました。その後は岐阜ハートセンターで心臓のリハビリを専門に経験を積み、さらに大学院の博士課程に進みました。研究と現場経験を重ね、2023年に豊橋創造大学の教員になりました。今も「病気を予防するリハビリ」をテーマに研究と教育に取り組んでいます。

理学療法士を目指したきっかけを教えてください。

理学療法士を目指したのは、病院でのリハビリの仕事について知人から話を聞いたのがきっかけでした。最初から強い目標があったわけではありませんが、「人の役に立てる仕事がしたい」と思い、この道を選びました。実際に現場で働いてみると、けがや病気のあとに機能を回復させることの難しさや、予防の大切さを痛感しました。そこから糖尿病や心臓病の予防に力を入れるようになり、今の専門分野にたどり着きました。

<教員・研究>

先生の専門研究分野を教えてください。 

「心臓リハビリテーション」や「糖尿病などの内部疾患」を専門としています。心臓病や血管の病気を持つ人が、無理なく安全に運動を続けられるように支援するのが心臓リハビリです。また、糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病に対して、運動がどんな効果をもたらすかを調べる研究もしています。これらの分野は、病気になってからではなく「ならないために」行う予防的なリハビリが中心で、社会全体の健康を守る役割もあります。

どのような点が魅力ですか。

病気を「治す」だけでなく「予防できる」ところが魅力です。たとえば、心臓や血管の病気、糖尿病などは、正しい運動や生活習慣で発症や悪化を防ぐことができます。こうした予防的なリハビリは、患者さんの生活の質を高めるだけでなく、日本が抱える少子高齢化の課題にも貢献できると考えています。自分の研究が、社会全体の健康を支えることにつながるのは大きなやりがいです。

学生に教えるうえで、気をつけていることはありますか? 

心臓や肺、糖尿病などの「内部障害」と呼ばれる病気に関する理学療法の授業を担当しています。これらは体の外からは見えにくいため、学生にとっては少しイメージしにくい分野かもしれません。そこで、実際の病院でのエピソードや写真、動画などを活用しながら、できるだけ具体的に伝えるように工夫しています。また、教科書だけでなく、自分の現場経験を交えて教えることで、「実際の仕事ではどうなるのか?」を想像しやすくなるよう心がけています。学生とは上下関係ではなく「一緒に学び合う関係」を大切にし、質問しやすい雰囲気づくりにも力を入れています。

先生が考える豊橋創造大学の良いところを教えてください。

先生と学生の距離がとても近く、わからないことがあればすぐに質問できる環境が整っています。先生との交流を通じて、学びへの意欲や理解も深まりやすく、安心して大学生活を送ることができます。小規模ながらも温かみのある雰囲気があり、学生一人ひとりにしっかりと目が届く、丁寧な教育が行われているのが大きな魅力です。

先生が考える理学療法学科の良いところを教えてください。

理学療法学科には、病院などでの現場経験や研究実績が豊富な先生が多く在籍しています。それぞれの専門分野を活かした実践的な授業が行われており、現場で本当に役立つ知識や技術を身につけることができます。また、先生方は学生の成長にとても熱心で、一人ひとりの夢を全力で応援してくれる環境が整っています。

先生ご自身は、どんな学生生活を過ごされましたか?

大学では学部の第一期生として入学し、学生数も少なかったため、先生方との距離がとても近く、たくさんのことを学べる環境でした。勉強だけでなく、焼肉店でアルバイトをしたり、仲間と一緒に部活動を立ち上げたりと、充実した大学生活を送りました。毎日が新しい経験の連続で、とても刺激的な日々でした。

特に印象に残っていることはなんですか?

今でもよく覚えているのは、仲間と一緒に野球部を立ち上げた経験です。大学が新設だったため、部活動もゼロからのスタートでしたが、メンバーを集めて大会に出場できるまでに成長させました。この経験は、協力することの大切さや行動する勇気を教えてくれました。また、1年生で苦戦した解剖学の授業も印象深く、先生方の丁寧な指導のおかげで乗り越えることができました。努力が実を結んだ経験として心に残っています。

理学療法士をめざす高校生にメッセージをお願いします。

理学療法士は、けがや病気で体に不自由を感じている方の回復をサポートする、社会的にも非常に重要な仕事です。今の日本は少子高齢化など多くの課題を抱えていますが、そんな中で人の健康や生活を支える理学療法士は、これからますます求められる存在だと思います。高校生の皆さんには、生物や物理の勉強も役立ちますが、大学に入ってから丁寧に学べるので心配はいりません。それよりも今は、たくさん体を動かして体力をつけておくことをおすすめします。理学療法士は人と関わる温かい仕事です。人のために力を尽くしたいと思っている方、一緒にこの道を目指しましょう。

研究者情報 瀧野 皓哉