研究要旨

加藤知佳子 教授

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E-mail : katochi@sozo.ac.jp

他者の視線に喚起される注意転換過程に関する研究

主な研究と特徴

私たち人間は、自力で獲得する知だけでなく、他者と認識を共有し、双方の知が両立する高度な認識を得ることによって、自立しつつも群れで生きる利点を享受している。

他者と認識を共有するための能力として真っ先に挙げられるのが、他者の視線を知覚し、注意を共有する能力である。顔をはじめとする対人刺激の脳内処理過程については数多くの研究がなされているが、特に筆者は、他者の視線に喚起される注意転換に関わる脳内処理過程について、自ら考案したパラダイムを用いて脳機能計測を行い(Kato et al, 2000)、他の指示記号との違い(Kato et al, 2000; 2001)や性差が存在する可能性を示唆するデータを報告している(Kato et al, 2006)。最近では、加齢に伴う変化についての心理実験も行っている(Kato et al, 2016)。

今後の展望

他者が視線や表情など身体を使って示すサインに対して、どれくらい敏感に反応しうるかは、他者と対面してのコミュニケーションのみならず、他者が残したサイン(たとえば、文字や図形、それらによる標識)にあふれた環境において、どれくらいそれらを読み取りうるかということにも関係していると思われる。そこで、これまでに考案したパラダイムを、特に高齢者の認知機能測定に応用し、加齢に伴うサインの読み取り能力の変化を検討する予定である。

経歴

1989年 お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科中退
1989年 お茶の水女子大学文教育学部教育学科文部教官助手
1992年 豊橋短期大学秘書科専任講師
その後、豊橋創造大学経営情報学部専任講師、助教授、教授を経て
2008年 豊橋創造大学リハビリテーション学部理学療法学科教授
2010年 豊橋創造大学大学院修士課程健康科学研究科教授

所属学会

日本心理学会、日本教育心理学会、日本発達心理学会、日本基礎心理学会、心の諸問題考究会

関連論文・著書

  1. 北原靖子・渡辺千歳・加藤知佳子(共編著)ヒトらしさとは何か:ヴァーチャル・リアリティ時代の心理学、北大路書房、1996
  2. Kato C et al, Activation related to endogenous attentional shift: a functional MRI study, Proceedings of the International Society for Magnetic Resonance in Medicine, 893, 2000
  3. Kato C et al, Activation during endogenous orientation of visual attention using symbolic pointers in the human parietal and frontal cortices: A functional magnetic resonance imaging study, Neuroscience Letters, 314, 5-8, 2001
  4. Kato C et al, Gender Differences of activation during visual orienting induced by pointing symbols, Neuroimage, 31, P-64, 2006
  5. Kato C et al, Endogenous shift of attention elicited by eye-gaze is related to the decline in frontal lobe function in older adults, the 31st International Congress of Psychology, RC-01-39, 2016.

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